2003-01-01から1年間の記事一覧

『朝霧の巫女』

『朝霧の巫女』(作/宇河弘樹)は大好きな作品なのでアニメ化の情報を聞いた時は嬉しくてたまらなかったですよ。第一話を観るまでは。構成も台詞も作画も何もかも気に入らない。こんなアニメは久しぶりでした。けれどもDVDだけは購入し続けました。全巻購入…

『ドッペルゲンガー』

関西エリアでもようやく『ドッペルゲンガー』が公開されました。 いやぁ、メチャクチャおもしろかったですよ〜♪ 黒沢映画にしては珍しく明快で爽快でハッピーエンドなフィルム! 余計な先入観は捨てて観よう!! 絶対にオモシロイから!!! 注意!! 以下の…

『悪霊とよばないで』

『悪霊とよばないで』(作/小野不由美) 小野先生の10年ほど前のホラーシリーズの6作目。 プロローグで登場する大量のシリーズキャラクターの把握に苦労しました(笑)が、いや、もう「事件」の発端がかなり怖い! 展開も巧い匙加減でホラーしている、恐怖…

『学校を出よう!』

『学校を出よう!』(作/谷川流) 粗筋を読み、事故で死亡した妹が「幽霊」になって兄に憑くという「お兄ちゃん迎撃ノベル」かと思ったのですが、ありゃりゃ、全然違うじゃないですか。 設定がややこしすぎとか、展開がのたりとしている感じますけど、ちょ…

『ロスト・イン・ラ・マンチャ』

『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(キース・フルトン、ルイス・ペペ共同監督) テリー・ギリアム監督が長年、温めてきた「ドン・キホーテ」映画化の企画を(ハリウッドでは不可能であったため)ヨーロッパ資本で制作を開始する。 タイトルは『The Man Who Kil…

『涼宮ハルヒの憂鬱』

『涼宮ハルヒの憂鬱』(作/谷川流) なんというか、アイデアはオモシロいんだけど見せ方や展開が淡白で、テンポも単調だし、サスペンスの欠片もない。ドキドキわくわくハラハラ感が皆無のまま、終わってみたら単なる「ボーイ ミーツ ガール」な物語でした、…

『偽りの墳墓』

『偽りの墳墓』(作/鮎川哲也) 未読の方はお読みになられませんように……。 「屋根裏の読書会」に参加、聴講すべく数日間で強行に読書しました。 鬼貫モノの長編ミステリは『黒いトランク』に続く2冊目。ちょっと苦手意識があって敬遠していました(汗)。…

『国枝史郎 ベスト・セレクション』

『国枝史郎 ベスト・セレクション 東雅夫編』(作/国枝史郎) 一大長編奇想小説『八ヶ岳の魔神』が予想を上回る痛快さ! とても楽しかったです。 かなりのヴォリュームだし読み始めは楽しめるのかな?とかなり疑問だったのですが、読み進めると止まらなかっ…

『とんち探偵一休さん 謎解き道中』

『とんち探偵一休さん 謎解き道中』(作/鯨統一郎) なんですか、この淡白な作品……。『金閣寺に密室』の続編が、これ……? あ。片山若子さんのイラストの愛らしさは、かなりツボでした。

『明智小五郎対金田一耕助』

『明智小五郎対金田一耕助』(作/芦辺拓)芦辺先生のパスティーシュを読んではいつも思うことなのですけど、よくもこんなにも数多くのピースを、読み手に微塵の矛盾を感じさせることないように、ピシリピシリとはめ込んでいくものです。 特に表題作! 読み…

『殺意の時間割』

『殺意の時間割』(作/赤川次郎 鯨統一郎 近藤史恵 西澤保彦 はやみねかおる) タイトルにある通り「アリバイトリック」に主眼を置いたミステリアンソロジーです。 『命の恩人』(作/赤川次郎)流石に経験を積まれたベテランの筆と納得させられる安定感………

『文字禍の館』

『文字禍の館』(作/倉阪鬼一郎) いえ、ね。端整すぎて「怖い」というよりも笑えました。 この端整さは、そう、「ハリウッドホラー」っぽいという感じ。 試みはオモシロいんだけど、それにより、いつもの「倉阪ホラー」らしさが欠けていました。

『吸血鬼の壜詰 【第四赤口の会】』

『吸血鬼の壜詰 【第四赤口の会】』(作/物集高音) 作品の結末で開示される「結論」に新鮮味が皆無、というか「どこかで聞いたことのある話」ばかりで本当につまらない! おいおい。こんな大人数でワイワイ騒いでオチがこれかい(怒)!! という「泰山鳴…

『雨が止むとき』

『雨が止むとき』(作/須藤真澄) 月刊アフタヌーン8月号に掲載された読切のファンタジーコミック。 ネタバレ注意! まずは是が非ともお読みください。 雨が降り止まない……そして、この雨に濡れた生物は(特定の場所で)その「外見」を消してしまう(ただし…

『猫丸先輩の推測』

『猫丸先輩の推測』(作/倉知淳) 未読の方はお読みになられませんように……。 猫丸先輩シリーズ第3短編集です。 収録作品は『夜届く』『桜の森の七分咲きの下』『失踪当時の肉球は』『たわしと真夏とスパイ』『カラスの動物園』『クリスマスの猫丸』の6編…

北村薫作品に関する一考察

『盤上の敵』を未読の方はお読みになられませんように……。 最初にお断りしたいのは、そらけいさまの考えに基本的に同意してます。 ただし、その流れで〈例えば〉と「盤上の敵」(作/北村薫)を挙げられるのは不本意なので拙い筆なので躊躇しつつ書かせてい…

『すずめスイッチ』

『すずめスイッチ』(作/山名沢湖) スイッチオンだと元気いっぱい! だけどスイッチが切れると所構わず「オヤスミナサイ」してしまうの女子中学生、鈴木すずめ(13)を主人公にしたドタバタコメディ。 いや、もう兎に角、ヘンな作品ばかりで笑いに笑いま…

『石の中の蜘蛛』

『石の中の蜘蛛』(作/浅暮三文) 人並みはずれた聴覚を獲得してしまった男。 彼は自分を殺そうとした相手をつきとめるため、 ある女を捜そうとする。 彼女の残した「音の記憶」を頼りに。(※以上、帯書きより引用) ※未読の方はお読みにならないでください…

『ヴァイスの空』

『ヴァイスの空』(原作/あさりよしとお 作画/カサハラテツロー) 2002年度の「4年の科学」(学習研究社)に連載された「空想科学漫画」です。 「地下都市」で生まれ育った少年、ヴァイスが「空」を見たくて、友達のネロの力を借りて一所懸命にガンバる物…

『エラリー・クイーンの冒険』

『エラリー・クイーンの冒険』(作/エラリー・クイーン) クイーンの『ローマ帽子』が読み難かった。あまり楽しめなかったと嘆いていたところ、まず短編から入るべしという助言をいただき、これに従って読書しました。 結果は「はなマル」。 ミステリ以外の…

『ベイビーリーフ』

『ベイビーリーフ』(作/二宮ひかる) 中学生の少年少女の(セックスを含む)「出逢いと別離」を濃密に描いた恋愛漫画。 若かろうが幼かろうが「恋愛」は「恋愛」に違いない。 繋がりがいくら深くなろうとも、やはり相手の精神の深層までは見通すことはかな…

『ひまわり幼稚園物語 あいこでしょ!』

『ひまわり幼稚園物語 あいこでしょ!(4)』(作/大井昌和) しっかし、ハルちゃん先生、読者サービスしすぎですにゃ〜(汗)。 スクール水着とか体育座りとか。それから生地の少ないタンクトップでエプロン付けると裸エプロンかと焦ってしまいます。

『るくるく』

『るくるく 2』(作/あさり よしとお) 地獄が咎人で溢れてしまうため、これ以上「人」に罪を犯させないようにとする悪魔の姫君「るく」の苦闘をラブコメをベースに描いたギャグ漫画。 あさり作品らしい猛毒を含んだ『ワッハマン』系列の作品ですが、しっ…

『琉伽といた夏』

『琉伽といた夏 3』(作/外薗昌也) ※未読の方はお読みにならないでください! 物語は重要な局面を迎えた第3巻……なのだけれど、わたしの視点は全く別の対象を追いかけています。ごめん。 琉伽は確かにカッコイイんだけど、弥衣ちゃん、凶悪なまでに可愛す…

『スケッチブック』

『スケッチブック 1』(作/小箱とたん) 押しの弱い、けれども妙に惹かれる表紙イラスト。 で。本屋の店頭で調査(立ち読みともいふ)。なんだ。4コマ漫画かい。 でね、買いました。 美術部に入部した三人の新入生(梶原空。麻生夏海。鳥飼葉月)をメイン…

『ご近所の博物誌』

『ご近所の博物誌』(作/わかつき めぐみ) 都から派遣された(変わり者の)博物学者の二羽(にう)さんと、彼女の世話係を任せられた村の(頭は良いけどいたずら坊主の)少年、三稜(みくり)の草木にまつわる物語。 いずれも愛らしいお話ばかりなのだけれ…

『髑髏は知っていた』

『髑髏は知っていた ―テレパシー少女「蘭」の事件ノート⑤―』(作/あさの あつこ) 失踪した民俗研究家の探索を依頼された超能力少女、磯崎蘭と名波翠は「消えた村」の謎に直面する……今回はミステリ的な結末を付けたのかと思ったら……あははは…… あ。これはど…

『三人目の幽霊』

『三人目の幽霊』(作/大倉崇裕) ※未読の方はお読みにならないでください! 大手出版社に入社した間宮緑はしかし「季刊落語」に配属される。 この季刊誌の編集長である牧大路は洞察力に優れ、緑が遭遇する「怪事件」を次々と解決する、快刀乱麻を断つ「名…

『圷家殺人事件』

『圷(あくづ)家殺人事件』(作/天城一) ※未読の方はお読みにならないでください! 40数年前、同人誌「密室」第17号に発表された長編探偵小説。光文社文庫『「密室」傑作選』で読みました。 本格ミステリは決して古びることのないジャンルであるという…

『骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ』

『骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ』(作/石田衣良) ※未読の方はお読みにならないでください! IWGPシリーズ第3弾。 表題作はインパクトのあるタイトルだけれど同時にネタバレにもなっているという駄作。ゲストキャラも魅力、薄いし。 わたしが一番好…