『ご近所の博物誌』

ご近所の博物誌』(作/わかつき めぐみ)


都から派遣された(変わり者の)博物学者の二羽(にう)さんと、彼女の世話係を任せられた村の(頭は良いけどいたずら坊主の)少年、三稜(みくり)の草木にまつわる物語。
いずれも愛らしいお話ばかりなのだけれど、特に第8話「一客一亭」の《ワタリギ》のエピソードが哀しいまでに清んでいる。
これは紛うことなき佳作。物語の続きが読みたいが、どうやら完しているようで寂しい。