『石の中の蜘蛛』

『石の中の蜘蛛』(作/浅暮三文


 人並みはずれた聴覚を獲得してしまった男。
 彼は自分を殺そうとした相手をつきとめるため、
      ある女を捜そうとする。
  彼女の残した「音の記憶」を頼りに。(※以上、帯書きより引用)


※未読の方はお読みにならないでください!


本格推理小説というよりも「本格ストーカー小説」と感じるほどに、部屋に残された前の住人の女性の「音」を猟犬が獲物の臭いを嗅ぎ取るよう行為がエロチックを通り越し、あまりに凄まじい。
しかし読了後、「探偵」という行為は抽出し純度を高めていくと「ストーカー」と変わらなくなるのでは?という考えに侵食されている(この「探偵」は「名探偵」とは同義ではありません。悪しからず)。