『ロスト・イン・ラ・マンチャ』

ロスト・イン・ラ・マンチャ』(キース・フルトンルイス・ペペ共同監督)


テリー・ギリアム監督が長年、温めてきた「ドン・キホーテ」映画化の企画を(ハリウッドでは不可能であったため)ヨーロッパ資本で制作を開始する。
タイトルは『The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)』。
しかし、いざ撮影を開始すると予想だにしないトラブルが続出!!
映画制作は一週間で頓挫してした瞬間……


当初、メイキングの撮影をしていたキース・フルトンルイス・ペペの「フィルム」はこの悲喜劇の一切を記録する異色の「ドキュメンタリー」と化した……


いや、監督には申し訳ないけど、これは完成する訳がないよなぁ、と頭を抱えつつ鑑賞していました。
(たしか)ライン・プロデューサーのホセ・L・エスコバルが「欧州でハリウッドの映画を撮影するのは無理だ」と発言していたけど、そりゃそうだろうなぁ。映画魔都「ハリウッド」の映画制作プロセスはある意味「完璧」だし、その「プリプロダクション」をヨーロッパに求めても(「ハリウッド」であれば予想だにしないトラブルではなかっただろうと推定されますね。いくらなんでもロケハンで「F16」の爆音は知れただろうに)……ギリアムの理想は高すぎるというか、イメージが豊潤すぎたのだろうと善意に解釈します。


しかし、ギリアム監督の絵コンテなどからイメージされる「作品」が素晴らしくて、完成品が是非とも観てみたいですよ、絶対。
あと、撮影前の数週間の準備に奔走する監督の無邪気な子供のような表情の魅力的なことといったら。
ジョニー・デップもカッコイイし♪
それから、どう見ても「普通の爺さま」のジャン・ロシュフォールが、監督が衣装を合わせてファインダーを覗くと「ドン・キホーテ」以外の何者でもなかったのが感動的でしたね〜。
うう〜ん。ああ〜。やっぱり観てみたいなあ……。