『ふらふらふらり』

『ふらふらふらり』第一部(作/藤本和也
五人の青年男女(倉本聰市川森一佐々木守、神崎かい、小林緑)のちょっと懐かしい匂いのする「青春ドラマ」を描いた漫画。
同棲している(というか女性の下宿先に男性が居候している)男女(聰、神崎)が「やらしい事したら出てく事」という契約書を作っているとことか、喫茶店の男友達の前で「カツ丼大盛」をパクつくみどりちゃんが「なによー 見てないで何かしゃべればいいじゃんー」と怒るところがメッチャ好き。
ちょっと情けない感じのする男性キャラに比べて、前向きで元気で柔軟性のある神崎さん、みどりちゃんがイイですよ。マジでほれる。例えば……


目的が見出せない毎日に「10年後 僕は何をやってるんだろう…」と本音を吐露する聰に、
「この辺にいるんじゃないですか。」と明るく答える神崎さん。
では、「君はどうなってんのかなぁ」と尋ねる聰に神崎さんの答えは、
「私はバラ色だよー 楽しい事ばっかり。」


登場人物の「履歴書」が多く語られないので戸惑う場面もありますが、作品の歩調に合わせれば自然と気にならなくなります。
かなり入手が難しいけど、隠れた名作だと思います。