『対話篇』

『対話篇』(作/金城一紀
「恋愛小説」「永遠の円環」「花」で編まれた短編集。
最後に配された「花」の、ある花たちが咲く花壇の側で四人が涙を流すラストシーン(誤記にあらず)が作品の終幕に相応しい、とても素敵なエンディング。
それに互いが幽かにシンクロしている構成も素晴らしく印象的。
決して明るくはない、否、むしろ絶望的な運命の刃を突きつけられる物語なのだけれど、何故だかとても愛しい。