堰を切るように…

海底より甲殻類生物が襲い来る単純な怪獣モノかと思いきや……予想通り、否。これは抜群にオモシロい! 『海の底』(作/有川浩)!!

政府中枢の対応が後手後手に回り、自衛隊は法規に雁字搦めで、米軍はアレで、プライドの欠片もないマスコミは阿呆丸出し。敵は外にではなく内にいたという、そんなお話。いや、真剣に災害に置き換えてみれば……リアルなのが哀しい……。しかし、警察(特に機動隊)の涙ぐましい男気に涙腺、緩みっぱなしでした。こういうプロフェッショナルな人々の奮闘を描かせると、この方は巧いですねぇ。惚れ惚れ。一方の潜水艦サイド。これぞジュブナイル! しかも萌え含む!! 《髪の隙間から覗く耳が赤い》とか、嗚呼、どうしてこうもカワイイんだろうなぁ。畜生♪ 爽やかな薫風のようなラストも♪