『猫田一金五郎の冒険』

『猫田一金五郎の冒険』(作/とりみき
ついに出た。まさか猫田一探偵の華麗なる冒険が一冊にまとまるなんて……世も末だ……否! 世の中、捨てたものじゃない。
「斜めすぎる屋敷の犯罪」「悶々島」「犬家の人々」「悪魔の蹴鞠唄」「錯覚館の恐怖」「猫田一金五郎のトリック・パズル」「シンメトリー事件」「巨人対怪人」「Y2Kの悲劇」「百八つ墓村」「いろは歌留多の謎」は偶然にも読んでいました(読もうとしてではなく購読していた雑誌にスルスルと影のように潜り込んでいたりするんですよ。予想だにしない雑誌とか)。
しかし「カブト虫の謎」「小人探偵団〜西瓜喰い人形の秘密〜」「本人殺人事件」「第3セクター殺人事件」が未読だったので購入。
ううん、しかしチューリップハットを使ったギャグ、まとめて読むと破壊力が増します。
「美容院坂の罪つくりの馬」は京極夏彦先生との合作という事で掲載誌を購入までしましたけど、京極作画担当部分がアレなのは狙っているのか、それともこの程度の技術なのかと、えらく悩みました……。


ありがちですけど、作品タイトルの元ネタを考えてみると……
「カブト虫の謎」
「斜めすぎる屋敷の犯罪」←「斜め屋敷の犯罪」(作/島田荘司
「悶々島」←「獄門島」(作/横溝正史
「小人探偵団〜西瓜喰い人形の秘密〜」←「少年探偵団」(作/江戸川乱歩
「犬家の人々」←「犬上家の一族」(作/横溝正史
「悪魔の蹴鞠唄」←「悪魔の手毬唄」(作/横溝正史
「錯覚館の恐怖」←「三角館の恐怖」(作/江戸川乱歩
「本人殺人事件」←「本陣殺人事件」(作/横溝正史
「美容院坂の罪つくりの馬」←「病院坂の首縊りの家」(作/横溝正史
「猫田一金五郎のトリック・パズル」
「第3セクター殺人事件」
「シンメトリー事件」←「紫骸城(しがいじょう)事件」(作/上遠野浩平
「巨人対怪人」←「怪人二十面相 第二部 巨人対怪人」(原作/江戸川乱歩)という映画が存在しているそうです。
「Y2Kの悲劇」←「Yの悲劇」(作/エラリー・クイーン
「百八つ墓村」←「八つ墓村」(作/横溝正史
いろは歌留多の謎」←「QED 百人一首の呪」(作/高田崇史
横溝作品が多いのは作者の趣味……というのもあるかもしれないけど、映像作品が多いから漫画でパロディしやすいということなのでしょうね。


やたら琴線に触れるデザインと思っていたら、やはり祖父江慎